“あなたを愛しています”
笑いながらやってきた場所、それは司君のオフィスとは違う場所だった。
住宅街のはずれに建っている、明るくて綺麗なマンションだった。
そのマンションのオートロックを通り抜け、エレベーターのボタンを押す。
どこ?
そう聞かなくても、どこか分かっていた。
……そう、司君の家だ。
司君の家……
そう思うだけで、胸が熱くなる。
身体が震えてしまう。
彼氏の家って……そういうことだよね。
私たち、そんな関係になってしまうんだよね。
手が触れるだけでこんなにもドキドキするのに……そんなことになってしまったら、私は死んでしまうかもしれない。
想像しただけで倒れてしまいそうだった。
でも、司君のものになりたいと願ってしまう。
そんな私の手を引き……彼は部屋の扉を開けた。