“あなたを愛しています”
その部屋は、豪華な花でいっぱい……
なんてことはなかった。
広々としたリビングには服が脱ぎ散らかしてあり、テーブルの上には飲みかけのジュースが置いてある。
お世辞にも綺麗な部屋とは言えなかった。
そして、花なんてどこにもなかった。
「あのさぁ……
司君って、おぼっちゃまなんだよね?」
思わず聞くと、
「おぼっちゃまって何!?
超嫌な響きなんだけどぉ」
顔を歪められる。
だから慌ててごめんと謝った。
おぼっちゃまは訂正したとしても……
この汚部屋は何!?
とても金持ちで育ちのいい人の部屋だとは思えないんだけど。
それか……まさか、家事が出来ないパターン?
大学時代から一人暮らしをしているのに、何も出来ないパターン!?