“あなたを愛しています”






途中、俊介さんとすれ違う。

怒り心頭の俺は、そっぽを向いたが……




「司君」




急に名前を呼ばれ、立ち止まってしまう。

そして、ぽかーんと口を開けて俊介さんを見ていた。

俺の記憶の中の俊介さんよりも、ずっとずっと成長した彼は、少し頰を染めて髪をかきあげる。




「司君……ええ男になったなぁ」



「ありがとう……」




そう言いながらも警戒する俺を、俊介さんはしっかりと見て告げた。

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