“あなたを愛しています”
随分暖かくなった川沿いの道を、花奈ちゃんと歩く。
桜はすっかり散って、葉桜になりつつあった。
花奈ちゃんと会った時は凍えるほど寒かったのに、季節は着々と夏へ向かっている。
時間の経過を改めて感じた。
そして、こうやって花奈ちゃんと歩けることをすごく嬉しく思った。
両親には悪いが、散々反発して家を飛び出して良かったなんて思えた。
そして、花奈ちゃんとの交際を許してもらえたから……気が向いたら帰ってやるか、なんて心の中で呟いた。