“あなたを愛しています”





だけど、司君は余裕の表情で笑っている。




「プロデュース料とか取れば高くなるけどさぁ。

……花奈ちゃんには借りがあるし、実費だけでやるよ?」




本当に?

……本当に!?




きっと、佐藤さんも司君までは望んでいないと思うよ?

それに実費だけって……ボランティアになってしまうんだよ?

それって、結局お礼だとしても……割りに合わないお礼じゃない?





わなわな震える私に、司君は決め台詞を吐いた。




「じゃ、決まりね。

またその件は連絡ちょうだいねぇ」




そして彼は時計を見る。

ちらりと見えたそのロゴは、高級時計のものだった。




やっぱりこの人……お金持ちだ!!


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