“あなたを愛しています”





そんな私のやり取りを見た由希さんは、


「なんで断らないの?」



案の定顔を歪めて言う。




「いくら思い入れがあるって言っても、佐藤さんは無理を言い過ぎだよ」




それは百も承知だ。

ホテルの装花を使わない上、プランナーである私に花屋を探させた。

そして、ことごとく駄目だと言い放った。

ようやく凄腕で破格の担当者を見つけたら、明日話がしたいと。



”だけど……でも……”




そんな私の気持ちは、



「花奈ちゃんは、親切と甘やかしを履き違えているよ。

あくまで花奈ちゃんはプランナー、友達や家来じゃないんだから。

それに、お客様には平等にしなきゃ」




昨日、司君にも言われたその言葉で、何かがプツッと切れた。


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