ほんもの。
電子レンジでチンをして、また寝室に戻る。
「うん、美味しい」
「それはね安藤直伝のレシピですから」
「だろうな」
「違うよ、愛情が入ってるからだよ」
「自分で言うかそれ」
ちょっと笑った安藤にほっとして、食べている様子を見た。今日は安藤をよく観察できる日だ。
そういえば、と今日一番聞きたかったことを思い出す。
「携帯どうしたの? 繋がらなかった」
「ああ、出先で水没させて、解約した。悪い、教えてなかったな」
「そういうのは、早く言ってほしいです安藤さん。連絡取れないし広報行ったら休んでるし」