ほんもの。
さっきの妹さんの口から出た鷹村さんというのがお父さんだろうか。
「亡くなってます、どちらも。父は病気で、母は余所のひとと心中して」
その言葉に、完全に手が止まってしまった。
どこかで聞いたことのある話だ。点と点が勝手に頭の中で結び付く。
「ただいまー」
再度玄関が開いて、閉まる音。
「おかえり。昨日、私と一緒にいたの、弟の海都です」
まだ学生っぽさが残る顔と会釈。紺野家は皆その角度で会釈をするらしい。
「初めまして?」
「安藤さんの彼女さんの月白さん。安藤さんたちも流しそうめんに参加するよ」