し ろ う さ ぎ


ほんの数日前、家に来てくれた時の斎川君は嘘だったの……?



言わなきゃ伝わらないのに、何も……言えない。




「なっ……なんで?」


「理由は……聞かないでって言ったら怒るよね」


「あっ……当たり前だよ……!」



哀しく笑う、斎川君。


どうして……?

考えろ、あたし。
……何が悪かったのか。

でもどれだけ考えたって斎川君の気を悪くしたようなことは何も無いはずで。




「……オレじゃ、やっぱり駄目なんだ……」


「……だ、駄目……?」


「うん……」




そう言う斎川君はあたしをじっと見ているはずなのに……

どこか違うものを見ている気がする。

また、あの目だ……。

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