誰かがどこかで救われる

「なーんか好きじゃない」

せっかく大好きな中原君と話ができると、浮かれて私の席に着いた実花だったけど、肝心の中原君は呼び出されしまい、伊田君も平子君も前を向いて他の男子とゲームの話で盛り上がって、実花はご機嫌斜め状態になってしまった。

「顔は綺麗だけどツーンとしてるよね。特別なグループにも入らないし変わってるよね」
不機嫌を井原さんにぶつけてる感じ。

「そうかな?」

「そうだよ。中原君とも仲がいいし」

「特に思わないけど」

「あんな顔してるけど、けっこう遊んでるみたいだよ。遅い時間に街をうろついて警察に捕まったんだって」

「うそだぁ」

盛り過ぎでしょう。

「心愛は私とあの女のどっちを信じるのよ!」

怒った顔の実花は超怖い。

「心愛も役立たずだよ。せっかく中原君の隣なんだから、もっと私の為に頑張って!そうじゃないと友達から外す」

「意味わかんない」
そう言いながら心の中で焦る私。

実花にハブられるという事は、他の子達も同意するしかなくて、他の女子のグループはもうでき上がっているから私の入る隙間はない。そして実花は粘着テープみたいにしつこいから、友達から外れたらどんな嫌味といじわるが待っているかわからない。

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