誰かがどこかで救われる

「おっはよーココア」

「おはよう萌ちゃん」

「おはよーポリフェノール」

「よくわかんなくなってる」

教室で同じグループの萌ちゃんと実花と話をしながら席に着き、先生が来るまでの朝のおしゃべり。

教室ではあちこちで小さな仲間の輪ができていて、みんなでワイワイ楽しく新しい友達と話を弾ませていた。

「アズは?」

「今日も来てない。村上さんと仲良くなったからもう来ないんじゃない?」

萌ちゃんと実花とアズと私は去年からの仲良し。中2になったクラス替えでアズだけ隣のクラスになり、マジ泣きされてみんなも泣いて「私も休み時間はこっちに毎日来るから!」宣言してたけど、GWが終わった頃から来なくなった。

「私の涙を返せ」って、実花がふざけて言うけれど、私達はアズが隣のクラスになじんでホッとしていた。

その場所で生きる力というか

自分の居場所をクラスで見つけるサバイバル力は必要だから。

< 3 / 131 >

この作品をシェア

pagetop