誰かがどこかで救われる
「おっはよーココア」
「おはよう萌ちゃん」
「おはよーポリフェノール」
「よくわかんなくなってる」
教室で同じグループの萌ちゃんと実花と話をしながら席に着き、先生が来るまでの朝のおしゃべり。
教室ではあちこちで小さな仲間の輪ができていて、みんなでワイワイ楽しく新しい友達と話を弾ませていた。
「アズは?」
「今日も来てない。村上さんと仲良くなったからもう来ないんじゃない?」
萌ちゃんと実花とアズと私は去年からの仲良し。中2になったクラス替えでアズだけ隣のクラスになり、マジ泣きされてみんなも泣いて「私も休み時間はこっちに毎日来るから!」宣言してたけど、GWが終わった頃から来なくなった。
「私の涙を返せ」って、実花がふざけて言うけれど、私達はアズが隣のクラスになじんでホッとしていた。
その場所で生きる力というか
自分の居場所をクラスで見つけるサバイバル力は必要だから。