とある腐女子が乙女ゲームの当て馬役に転生してしまった話
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「どうしましょう?ここはどこでしょう?」


目の前には、少し古びた建物。もとは教会だったのだろうか。レンガ造りに大きなステンドグラスが、目立つ。


「困ったわ。迷いましたわ」


ブローチを買った後、ハース・ルイスの方を見ると、まだ時間がかかりそうだったので、何もしないのももったいない。せっかく、街に来たんだし、少しくらい大丈夫だろうとハース・ルイスがいる場所から離れて、散策してみようと考えに至ったのだ。いろいろ行ってみようと意気込んで、人波にもまれながら、歩いていて、人波にうんざりして、人気がないほう、人気がないほうに歩いていくと、気が付けば、ここにたどり着いたわけである。大通りから、かなりそれてしまった。おかしいな、前世では、割と地理は得意科目だったんだけどな。


「…とりあえず、中に入ってみるか」


もしかしたら、誰かいるかもしれないし。これは建前だ。こんな古びた建物に人はいないだろう。本音を言う、外から太陽に照らされたステンドグラスがどのようになっているのか、気になるだけだ。


建物の入り口はどこかと探ってみれば、木で作られ、金属で装飾があしらわれている。ところどころステンドグラスも使われているようで、かなり華やかな扉。


取っ手に手をかけて押そうとすると


「う…、重い…」


華やかな装飾の分、重いようで、ぎぎぃという鈍い音を立てて開いた。その瞬間…



「誰…!?」
「…っ!?」


鋭い声が聞こえて、思わず目を閉じた。先ほど、聞いた「悪魔の子」の話が頭をよぎった。やめて、本当にやめて。ホラー、本当に苦手なんだって。本当にマジで。あぁ、なんで、あのとき、呑気に街を散策しようなんて思ったんだ。あぁ、もう…!私のバカ!


「…っ…」


いつまでもそうしているわけも、いかず、恐る恐る目を開ける。まず、目に入ったのは、ステンドグラス。想像していた以上に、美しい。太陽の光が、ステンドグラスを照らし、室内を幻想的な光が包んでいた。幻想的な風景に感動して、恐怖も忘れて、室内を見渡し、視野の端に何かを捉えた。


「…えっ?」


そして、思わず、息をのんだ。


「…誰…?」


ステンドグラスの丁度真下。同じように繰り返す。悪魔なんてもんじゃない。


ステンドグラスが生み出す幻想的な空間の中、ひと際目を引く、漆黒の髪に、深紅の瞳。


「…綺麗…」


まるで、神様が丁寧に作りこんだような綺麗な顔立ちをした少年が、そこにいた。
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