銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
俺が奴と対面したのは片手で数えるほどだ。

入口の扉の前にいる監視にも同じように挨拶して中に入る。

だが、一歩足を踏み入れて思わず驚いた。

昔は囚人の収容所で、何もない殺風景なところだった。

だが、今は……天井や壁が黄金に輝いていて……どこかの王宮に来たのかと目を疑ってしまう。

本当にここが海の塔なのだろうか?

「これはサーロンの趣味だな。一体どれだけ金をかけて改築したのか……」

ポツリと呟きながら廊下を進み、部屋があれば片っ端からセシルがいないか確認する。

そして、広間にたどり着いた。

宴でもやっているのか、賑やかだ。

広間に入って、すぐに目についたのは玉座に座るサーロン。

「姫はお目覚めか?」

あいつはそう言って立ち上がり、前に歩いて行く。その視線の先には、セシルがいた。

見つけた。

怪我はしていないようだ。
< 221 / 263 >

この作品をシェア

pagetop