銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
すると、ゴードン達近衛兵も正面の扉を開けて突入して来た。

寺院内は騒然。

「動くな!」

ゴードンが凄みのある眼光で叫ぶと、男達は逃走を諦め、ガックリと肩を落とした。

仮面をしているから顔はわからないが、こいつらは身なりからして貴族や商人だろう。

大司教が倒れているのは、どういうことなのか?

気になったが、今は彼女だ。

「大丈夫か?」

大司教は近衛兵達に任せることにして令嬢に優しく声をかけたが、突然彼女が崩折れて倒れそうになり、慌てて抱き上げた。

だが、あまりに軽くて驚く。

顔を覗き込めば、何故だか知らないが胸がざわめいた。
美しいその面差し。

どこかで会ったよう……な?

気を失ってしまったのか、彼女の目は閉じられたまま。
無理もないと思う。
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