オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「タクシーを呼んだ。20分ぐらいで来るらしい」

「すみません」

私がキッチンで後片付けをしている間に浩太郎さんがタクシーを呼んでくれた。

そして片付けを済ませ、帰る支度をしている時だった。

浩太郎さんが後ろから抱きついてきたのだ。

「浩太郎さん?」

「……はあ〜帰したくない」

確かに浩太郎さんとの時間はすごく楽しかった。

「私も同じ気持ちです」

つい本音が出てしまう。最初はいきなりマンション?ってビビっていたのに……

だけど香奈たちのことが解決するまではとお願いした手前、これ以上のわがままは言えない。

「だけど今日は帰ります」

「わかってるよ」

よほど残念に思ってくれたのだろう。浩太郎さんは私の肩にコツンと頭を乗せた。

「もう少しだけ待っててください。妹のことが解決したら必ず……」

遠回しに今度来る時は泊まります。と言っているようなものだ。

だけどそれは今の私の素直な気持ちだった。

するとさらにギュッと抱きしめられた。

「期待していいのか?」

耳元で甘く囁かれたらそれはもう魔法と変わらない。

「はい」

私は即答していた。

「でもそんな可愛いこと言われたらやっぱり帰したくなくなった」

「え?」
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