オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
そして迎えた当日。

「お姉ちゃん」

朝早く香奈が部屋に入ってきた。

「どうしたの?」

「ごめんね」

突然香奈が謝ってきた。

「何が?」

まさか智也とのことがバレたとか?緊張が走る。

香奈はベッドに座る私の横に座った。

「いろいろ」

「え?」

「お姉ちゃんていつも私が暴走して周りが見えなくなると助けてくれたな〜って。今日のこともそう。今まで散々親に迷惑かけたきたから勢いで紹介したら反対されたかもしれないと思って」

確かに香奈は昔から自由人というか本能の赴くままに生きてきたような気がする。

でもそんな香奈に憧れていた部分もあるし、私もそんな香奈に助けられた部分がある。

私が失恋した時も、浩太郎さんとのこともそう。

香奈は私のことをいつも気にかけてくれる。

だから……相手が智也でもなんとかしてあげたかった。

「とにかく、いい報告ができるように話をしてみるよ」

「ありがとうお姉ちゃん」
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