オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
最大の試練
さてこうして私と浩太郎さんは親公認の仲になりました。

父も母も浩太郎さんを大変気に入った。

なんだか全て浩太郎さんの計画通りのような気がしてならない。

香奈も以前に比べると随分ん変わった。

今まで料理なんかしたことなかったのに、母から色々と教わっているらしい。

それに何より外泊も無くなった。

愛の力の大きさに驚きを隠せなかった。

って呑気なことを言っている場合ではない。

結婚を前提にお付き合いすることになった私。

これから気兼ねぜずラブラブな毎日を送るのかと思いきや……

「アメリカ?」

「ああ2週間かな」

以前、ミシェル・ヴァレリーの副社長が来日した時にコラボの話が持ち上がったが、それの打ち合わせのため浩太郎さんがアメリカへ行くことになったのだ。

でも2週間はちょっと長いかな……

「そんな寂しそうな顔をするな。できることなら遙を一緒に同行させたいところだけど……

広報も今新商品の宣伝で忙しいからな……」

そうなのだ。

新商品が発売されるこの時期はイベントや取材も多く大変忙しく猫の手も借りたいほどなのだ。

「仕方ないですよ。お互い忙しいんですから」

私は浩太郎さんの着替えをキャリーに詰めた。

すると後ろからぎゅっと抱きしめられた。
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