オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
あなたは私の最愛の人
浩太郎さんの部屋に行こうと決めたのは事件の1週間後だった。

いつも綺麗にしている部屋だけど空気の入れ替えぐらいしないと……と思ったからだ。

部屋に入るとまず部屋中の窓を開けた。

そして部屋の掃除した。

いつ帰ってきてもいいようにベッドシーツも洗って、冷蔵庫の中もチェック。

全ての掃除が終わった頃には疲れてしま私は誰もいないことをいいことにソファーに横になった。

そして仰向けになり真っ白な高い天井を見上げる。

本当だったら今頃二人で楽しい時間を過ごしていたはずだったのに……

いつ帰ってくるかもわからない浩太郎さんを待つ身は辛かった。

こんなことなら意地を張らずに浩太郎さんとの恋人らしい時間を作ればよかった。

行くなと言われてもアメリカ行っちゃえばよかったかな〜

私は誰もいないことをいいことに妄想した。

「いきなり会いにきて『どうしたんだ!』って慌てて起きると傷が痛むのか『ウッ』と傷口を抑える。そして私が『起きちゃダメよ』と駆け寄る。『何しにきたんだ。来るなと言っただろ!』っていうと私は『いてもたってもいられなかったんだもん』って言っちゃうんだよね〜」

「テレビの見過ぎだ」

「そう、テレビのみす––」

え?
< 149 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop