オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「やりましょうよ」

私が興奮ぎみにいうと浩太郎さんがクスッと笑う。

「俺、お前のその笑顔初めて見たわ」

「え?」

きょとんとする私に浩太郎さんは小さく溜息をつく。

「普段俺と2人きりの時は、怒ったり、不安そうだったり……笑った顔なんか見せたことなかったからな。こんなことでお前の笑顔が見れるなら安いもんだな」

浩太郎さんはとびきりの笑顔を私に向けた。

その瞬間ドキュン!大きく胸が高鳴る。

私もそのまま今の言葉を返したい。

だっていつも偉そうに……っていうか確かに副社長だから偉いけど、私の都合や気持ちなんか全く考えなしで今日みたいに驚くことばかりするのにちょっとその笑顔は反則よ。

胸は高鳴るし顔が熱くなるし、どうしたら良いのか戸惑っているとトニーさんとエイミーさんが顔を見合わせニヤニヤしているのが視界に入った。

そして英語で浩太郎さんに話しかけると浩太郎さんの顔がほんのり赤くなった。

「あの……」

何を言われたのか声をかけると

「俺たちを見ていると恋愛ドラマを見ているようで飽きないって」

「え?れ、恋愛ドラマ……ですか?」

トニーさんはなぜか私に親指を立ててウインクしてくるし、反論したところで浩太郎さんが訳してくれるとは到底思えなくて苦笑いするしかなかった。
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