ロマンスがありあまる
な、何ですって…?

いろいろなことがあり過ぎて固まっている私に、
「僕のことを好きにさせるって意味だよ」

専務が言った。

「なりません!」

そう言い返した私に、
「いや、なるよ」

専務がさらに言い返した。

余裕綽々なその態度は、一体どこから出てくるのだろうか?

何故、そんなにもはっきりと宣言することができるのだろうか?

これはもう本当に、とんでもない人の秘書として働くことになってしまったみたいだ。

どうしよう、もうすでに嫌で仕方がない。

誰か間違いだと言ってくれ!

これはジョーダンだ、これはドッキリだと言ってくれ!

これから始まる新しい日々に、私は両手で頭を抱えたくなった。
< 12 / 107 >

この作品をシェア

pagetop