ロマンスがありあまる
「でしたら、私が案内します」

私も腰をあげると、専務と一緒にリビングを後にした。

リビングから離れると、
「どう言うことなんですか?」

私は専務に声をかけた。

「何が?」

さっきの丁寧な態度はどこへ行ったのやら、いつもの専務になっていた。

「何で、私の実家にきたんですか?

私、実家の場所を教えたことなんてないと思いますが…」

「ああ、それも君を調べた時に知ったんだ」

そう答えた専務に、私は思い出した。

――そうだ、こいつに何もかも全てを調べられていたんだ…。

「それよりもさ、昨日のは何?

別れてください婚約破棄をさせてくださいって、どう言うことなの?」

専務が聞いてきた。
< 99 / 107 >

この作品をシェア

pagetop