ドキドキ同居しています
「やだっ!何してるの。離れて!」

四つん這いで組み敷かれそうになった須王は、俺を押し退けようと暴れる。

須王を諦めたくない僕は想いを込めて抱きしめるが、捻挫している左手のほうから逃げられてしまった。

すぐに彼女を追いかけて捕まえる。


「本気なんだ!ずっと前から須王のことが好きだった!」


今日みたいに、これからもずっと、君と見つめ合っていたい。

君と一緒に思い出を作っていきたい。

君を誰にも渡したくないんだ!

須王を見つめて懇願した。でも、返ってきた答えは……


「私、好きな人がいるの。だから、付き合えない……」


結局、好きになっちゃいけない人を選ぶのか……


「でも、絵のモデルだけは、もう少ししてほしい。
モデルを引き受けてくれたんだから、最後までやり遂げて」


須王にモデルをしてもらう数日の間に、なんとか僕に振り向かせるように仕向けられないものだろうか……。
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