永遠に叶えたい愛がある。








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「俺さ」






太陽の下で私の膝に頭を乗せる宗平が目を閉じて静かに呟く。















「実家に戻ろうと思う」






「…え?」






私が想いを伝えようかどうしようか迷っていたところ、思いもよらない言葉が聞こえてきた。






「綾美に見つかった以上、このまま離れてる意味はないと思うんだ」







ちょっと待って、頭が付いて行かない。





この人、何を言っているの?







「綾美はきっとこれからも何度も俺の前に現れる。それだったら実家に戻った方がまだ落ち着く気がする」







宗平が腕で目元を隠した。







宗平が実家に帰るということは県外に行くということで







「俺がちゃんとしてこなかったからいけないんだ」






この学校からいなくなってしまうということ。






「…いつ?」






「できればすぐに」






体が震えた。





宗平がいなくなってしまう。






今想いを伝えようと思った相手が、私の目の前から消えると言う。






宗平、あんたはどこまで最低な奴なんだ。














「インターハイは…?」







決勝を目前として引退すると言うの?






そんなのスポーツマンシップに反するよ。




 


「俺がいなくてもあのチームは大丈夫」






そんなわけないじゃない。




宗平がいなくなったら戦力が愕然と落ちる。








「でも…」




「雄がいれば大丈夫」





言い掛けようとしたところを遮る宗平。





何も言い返せなかった。




 







「ごめんな、チクワ」






なんで謝るんだ。




まるで本当にいなくなっちゃうみたいに聞こえるじゃないか。




そんなの信じたくないよ。






でも、もう宗平は決めている。





宗平は決めたらきっと揺るがない。






だから私が何を言っても無駄だと言うこと。











「俺、おまえに出会えてよかったよ」


















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このあと何を話したのか、どうやって戻ったのかなんてちっとも覚えていない。








ただ分かるのは、宗平がいなくなってしまうということ。






















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