混 迷

···羚①



咲空が病院に運ばれてから
一週間か、十日過ぎたとき
親父に呼ばれた。

家につくと
後妻の里さんが
「あなた、吾妻の家に泥を塗るの?』
と、言われた。

意味がわからないが
この人に何を言ってもと
リビングに入ると
親父から、いきなり殴られた。
「・・なんなんだよ!!」
「お前は、何をやってるんだ!!!」
と、怒鳴れて
意味がわからないが
親父を睨んでいると

男性の人が急に
「羚さんですね。
私は、吾妻建設会社の顧問弁護士を
しております、佐々木ともうします。」
「はぁ、羚です。」
「社長も座られて下さい、羚さんも」
「里、お前は席を外せ」
「えっ、なぜですの?」
「いいから、外せ。」
「わかりました。」
里さんが、出ていくと
佐々木さんが話始めた。
「羚さん、あなたは篠宮 咲空さんを
ご存じですか?」
「・・・・はい・咲空がどうなったか
知ってるのですか?・」
「羚さんが望んでいる答えか
分かりませんが。
篠宮さんは、全身打撲
左足複雑骨折で、入院されています。」
「命には別状無いのですか?」
「はい、今のところは。
後遺症も、いまからでないと
わかりません。
今わかっているのは、これだけです。」
「・・・・そうですか。」
「羚さん、篠宮さんのお母様より
二度と娘さんに近づかないで
欲しいと弁護士を通じて連絡が
ありました。」
「えっ、そんな。
話も出来ないのですか?
大学も一緒なんですよ。」
「それは、もうない。
お前には四年から海外にと思っていたが
年明けから、海外にやる。
あちらの大学をでて、
あちらで仕事について学んで
来なさい。」
と、晴敏。
「いつも、勝手なんだな。
俺の意思も意見もきかないで。」
「必要ない。
いいか、わかったな。」
と、晴敏はいいすてた。
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