混 迷

···ありがとうございます


私が、
「ありがとうございます。
     助かりました。」
と、いうと
「手首大丈夫?
赤くなっているけど。」
と、心配してくれた。
「はい、少し痛いけど
大丈夫です。
私は、篠宮といいます。」
と、頭を下げてから
彼をみると

すっごく綺麗な顔をしている
男の人だった。

「知ってる。俺、同じ経済学部だから。」
「えっ?そうなの?」
「ああ、俺は吾妻。
    気をつけて帰って。」
「ありがとう、吾妻君。」

これが、羚との出会いだった。

それからは大学で羚と話すようになり
羚と付き合い始めるのに
時間はかからなかった。

羚は、人が苦手だが
私には、とても優しくて
私は、そんな羚が好きでたまらなかった。

私のはじめてのキスも。
はじめての相手も・・羚だ。

羚も私を深く愛してくれていた。

いつも、イチャイチャしている私達を
幼馴染で親友の華は、
「バカップル」と言いながら
羚と私を見守ってくれていた。

母親の佳子も羚を気にいっていて
羚は、良く家にも来ていた。
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