混 迷
※※再会①

···倒れる



華が泉さんと山田さんに
理由をつくって
私をその場から
出してくれた。

意識を維持するのに
いっぱいで
身体は、言うことをきかなくなっていた。

「咲空っ、咲空っ、
ゆっくり呼吸をして」
「そう、そう、ゆっくりね」
華は、私の状態を視ながら
声をかけてくれる。

すると、泉さんが
「咲空、もう落ち着いたから帰りな。」
と、言ってくれた。

華は、
詠斗が今、日本にいるので
詠斗に連絡して
迎えにきてもらうことにした。

詠斗は、つくと
咲空を抱き上げて
連れて帰る。
「詠斗、お願いね」と、華。
「ああ、お前も早く帰ってこい。」
と、詠斗は言って華の頭にキスをして
泉さんに頭を下げて帰った。

泉さんは、顔を真っ赤にして
頭を下げていた・・・

咲空は、
「・・ごめ‥ん‥ね‥‥っ、えい‥と」
「大丈夫。辛いんだろう
    目を瞑っていろ。」
と、言うと
咲空は、コクンとして
そのまま目を閉じた。


その姿を、羚がみていたなんて。
誰も気づいていなかった。
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