混 迷

···全ての企み


「私も雛も、兄が小さいときから
大好きでしたが
雛は兄妹なのに
度を越えていまして
兄に恋人ができて
悔しかったのか
取られると思ったのか
兄を騙したのです。

その時、偶然なのか
咲空さんと華さんがみた風景が
それです。」
「えっ、あのジェリーショップ?」と、華。
「はい、そうです。」
「ストーカーに狙われてる‥‥と‥」と、翔。
「嘘ですよ。
  兄さん⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅雛の。」
羚は、頭を抱えてしまった。

「じゃ、あの写真は?」と、華。
「写真?」と、翔。
「兄さん、雛は兄さんと寝ている
写真を咲空さんに送ったんですよ。
それに、兄さんに酒を飲ませて
眠らせ裸にして、一緒に寝てる姿を
咲空さんにみせたんだよ。
        ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅直接⋅⋅⋅。」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅えっ‥‥どう‥して‥?‥」と、翔。
「なにっ?なんなのっ?
それならっ、羚はっ、羚は⋅⋅⋅⋅⋅⋅
‥‥何も知らなかった‥‥の?‥‥」
と、華。

「そうです。
兄は、何も知りません。
咲良さんからのいきなり来た
別れのラインに酷く驚いた筈です。」
「‥‥そんな‥‥そんなっ‥‥
   ‥‥こと‥‥ありえない‥」と、華。

「兄は、咲良さんを探し回っていた時に
あなた方、三人に出会い
あの事故がおこりました。

訳がわからずに病院で攻め立てられて
兄は、幼少の頃の自分を
思い出したのでしょう。
あの場から逃げ出したんです。

モデルのエイトさんを咲空さんの
恋人かなにかだと勘違いしたんです。

まあ、その雑誌をわざと
  置いたのも雛でしょう。」

と、話す葵に······華は······
< 60 / 88 >

この作品をシェア

pagetop