混 迷

···やっと


「咲空は、それからは心療内科に通い
休学していた、大学を卒業して
希望していた飛鳥建設に入社したの
やっと、やっと、心療内科の先生に
通院をしなくてよい許可をもらった。


・・・処に、貴方が現れた。

貴方に会う
貴方と話す
貴方が身近にいる

そんなことが
あり得るわけない・・
おこりうるわけない・・

そうやって・・咲空は自分の心を
調整してきた
それで、乗り気ってきた・・・

だから羚‥‥貴方に対面すると
咲空は、意識を無くしてしまう。」
と、華。
『いわゆる、現実逃避?』と、アル。
「そうだと⋅⋅⋅⋅⋅思う
・・この間も倒れて詠斗が
来てくれたの。
咲空は、詠斗にとっても大切な
幼馴染なの。
だから、詠斗は海外の仕事を調整して
今は、咲空のいる日本で
仕事をしてるの。」と、華。
「咲空のためだけではないが。
こいつも見てないと
突拍子もない事を考えるから!
ああ、勘違いするなよ
咲空のお袋さんと
俺の母親が姉妹だ。
俺の彼女はこいつ、華だ。」
と、詠斗。
「なによ、突拍子もないって。
あの時は・・・まあ、いいけど。

咲空は、毎年あの子の命日には
ここに来て、ああしてるの。
まだ、月命日には来れないのだけど。
最初は、此に来てもずっと泣いていて
見ていられなかった。」
と、華が話すと
詠斗は、華をそっと抱き締めて
自分の中に抱えた。
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