混 迷

···行っては駄目


話を聞きながら・・・

羚の目は
ずっと、咲空を見ていた。

自分達が来てから
もう⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅三時間は越している
その間‥‥
咲空の涙は渇れることなく
流れていた。

その姿を五人は
ずっと見ていた。

葵は、
「本当に申し訳ありませんでした。
謝ってすむことでは
決してないことはよくわかっています。
ですが、咲空さんも華さんも
今此にいると言うことが
私には救いです。
ですが、私にはそうでも
お二人には、長い大変な
道のりだったと思います。」
と、頭を下げた。

『吾妻の前社長と後妻の里さんの
やり方も間違っています。
雛さんと里さんには
きっちり償いをしてもらいます。
簡単には終わらせるつもりは
ありません。
これは、言い訳ではありませんが
羚は、後妻から疎ましがられて
育ちました。
海外に出したのも後妻です。
あの時、羚は咲空さんの容態を
聞いたのに
父親である晴敏氏は
知る必要ないと
一切話さず
ただ、アメリカに行けと
追い立てました。
吾妻の顧問弁護士は、
羚にきちんと話すように
言ったのに・・・
晴敏氏の遺産相続の時も
里さんのやり方は
非道であきれましたが
羚は、まったく興味がないから
全て放棄したんです。』と、アル。

アルと葵
華と詠斗が話している間に
羚は、一人で歩き始めて・・・
華は、
「ダメ!行ってはダメ!!」
と、言いながら
走りはじめる
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