混 迷
※※真相③

「私が、もっと勇気をだして
羚に聞いていたら
事態はこんな風には
なっていなかったと思う。

だけど、あの時
私を見捨てずに
ずっとずっと、そばで支えて
くれたのは、華。
華がいなかったら
私はこの世にいなかった。

あの子をこの世に産んであげれなかった。
その事が辛くてたまらなかった。
だったら、一緒にいてあげたら良いと。
ずっと考えていたの

そして・・・気づくと・・

華が手首にナイフをあてて
引こうとしていた。
『咲空、一緒に行こうね。』
と、笑いながら言って・・・・

思わず声がでたの
私のせいで華をいかせたらダメだと
詠斗は、いつも私を甘やかせてくれて
私を大切にしてくれた。
そんな詠斗の大事な華を
私の事に巻き込んではダメだと。」
「咲空・・バカ咲空・・
あの時は、本当に辛い日々だった。

でも、生きていても咲空が辛いなら
苦しいなら一緒に行こうと
咲空だけなんか、いかせない
私も一緒に・・・と。」
「俺の事なんか考えずにな
まったく、こいつは。」
と、詠斗。
「だから、ごめんって
何度も謝ったじゃない。」
と、華と詠斗が言い争いだすと
咲空は、クスクスっ笑いだし・・

それを華はみて咲空を抱き締め
詠斗は、咲空の頭を撫でていた。

アルは、綺麗な咲空が
キュートに笑うのを見て
ヒューと口をならした。

葵も驚いていたが
改めて雛の悪事に腹立たしい
思いだった。

羚は、何か考えこんでいた。
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