私と王子様のプロローグ
普段はこんな煽るようなこと絶対言わない。
けど神崎さんの意図が読みきれないのがもやもやして、ついに言ってしまった。
「……へぇ」
ポーカーフェイスを保っていた神崎さんの端正な顔が、挑発的な色を帯びる。
「もしそうだって言ったら。どうするんです?」
時折ちらりと覗かせる裏の顔。
「どうしましょうか」
やっと出た声が少し掠れてしまった。
「水野さんはどうして欲しいんですか?」
同い年なのに、こうも話の主導権を握られるのは面白くない。
面白くないけど、神崎さんの方が上手だ。分かっていたはずなのに煽った自分を叩きたい。
「……今後とも、お仕事でいいお付き合いをしていただければと思います」
「強気な女」
神崎さんの、この危うい雰囲気は何なんだろう。
一見クールにみえて、内面は別の感情を抱えてるような。強引にでも目を奪われる。