セーラー服と恋模様。
次の日。

鏡の前で、セーラーのスカーフをきゅっと結び、いざ登校。

お姉ちゃんのつや髪スプレーを借りて、超念入りにブラッシングしたけど、特に意味はない。

今日の図書委員会を考えると、今からちょっと緊張する。
と言いながら、凛太……来なかったりして。


昨日からずっと、そんなことばっかり考えてる。


ご近所さんちの塀から、大きな木の枝が出ているのを眺めながら、桜の花びらが散り積もった小路を歩く。


春だなぁ。

上向いてたら口開いちゃうけど、いい陽射しでピクニックしたくなる。


すると。




「そんな上向いてたら危なくない?」


え。

男の子の声がした方を振り返った。
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