セーラー服と恋模様。
「家はここだよ。春から引っ越したんだ」

瞬君が指差すのは、大きな木の枝が出ていた家だった。
ちょっと磯野家を思わせる、広そうな日本家屋だ。

「へえー。広いおうち…」

「おじいちゃんの家だよ。同居始まったんだよね」

にこりと微笑む王子様。
性格はきさくで、お高く止まってなくていい人って…そりゃモテるだろうなぁー。
クラスの男子たちがコドモに見える。

そのまま、和やかに二人で登校していたら、なんだか…女の子たちの視線が突き刺さる。
明らかに睨んでる子まで……ひぃぃ。

「あ。俺、購買寄るから、またあとでね」

王子はもう女子の視線にも慣れているのか、意に介さない様子で購買まで歩いて行った。
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