セーラー服と恋模様。
優雅な振舞いを見てたら、ドンッと椅子の下に衝撃を感じて飛び上がった。

犯人は後ろの席の男だ。

「何すんの!」

「べっつにー」

凛太は口を曲げて、両手を上げる。

「こんなとこ意味なく蹴らないでよ。同じことしてあげよっか?椅子なしで」


立ちあがってじりじりと近づいていくと、凛太も立ってじりじりと逃げる。

金的攻撃が非人道的で、ヒットすると相当苦しみを負うことは一応知ってるつもりなので、実際に蹴りはしないが。

「お前は恐ろしい女だな…」

「あんたが蹴るからよ」

じり……と見合ったところで、私たちのやりとりに周りの席の子たちがくすくすと笑い始めた。
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