セーラー服と恋模様。
「……や。俺が悪いし!」

習志野君は、さっきまでの疎ましそうな表情から一変して、にかっと笑ってくれた。

よかった。

凛太や習志野君みたいな、やんちゃ出身な男子は、本当はちょっと怖いと思ってたけど、ちゃんといい人なんだな。


予鈴が鳴って、おのおの席に着き始める。

授業の用意をしていたシュン様のほうを向いて、
「ありがとう」と言った。


「ん?何?」

「さっきの。ハンカチ汚しちゃってごめんね」

「ああ。そんなのいいよ」

話してると癒されるなあ。

上品だし、誰も傷つけるような真似しないし。
私もこんな人格者になりたいものだけど…。


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