セーラー服と恋模様。
え?え?

何が起こったのかわからなくて凛太を見ると、凛太は自分の口を手の甲で押さえていた。

耳まで赤くて、今まで見たことのない凛太の顔。

今……キス……した?

凛太と?


――その時。

ガラっと図書室のドアが開き、びくっと驚くと、凛太の手が離れた。
司書の先生が何かノートを持って、足早につかつかと入ってくる。

「あらっ、早いのねー!」

はや、早いって何が……っ。

「ちょっと職員室まで資料取りに行ってたのー。
 じゃあ、さっそく6年1組チームにお仕事してもらおうかな」

早いって、時間のことか。てっきりキスのことかと思ったよ…。

今の、先生に見られてないよね。
心臓の鼓動が苦しいくらい速い。
< 4 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop