カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
いつの間にか眠っていたらしい。

慌ただしい音が聞こえてきて目が覚めた。

寝室のドアが開く気配に顔を向ければ、慈英が息を切らせて立っていた。


「心菜、大丈夫か?」


心配そうな顔が私を見ている。

頷いた私はベッドに起き上がった。


「寝てろよ。」

「もう大丈夫。今、何時?」

「定時だったから6時過ぎか?」

「定時で帰って来たの?」


珍しく定時帰りだったようだ。

驚きの表情を見せれば、ベッドに腰掛けた慈英が私を抱き締めた。


「元気そうで良かった。」

「微熱だから。風邪かな?」

「今日はゆっくり寝ろ。ご飯は食べれるか?」

「うん。」

「待ってろ。」


温もりが離れていく。

少し名残惜しい。


「寝てろよ。」


それだけ言って、部屋を出ていく後ろ姿を見送った。

ベッドに寝転びながら目を閉じる。

最近、婚約の事を考え過ぎていて、少し疲れていたのかもしれない。

そこに風邪?

久しぶりに熱なんて出た。

健康が取り柄の私なのに。


「明日には行けるかな。」


一人でぼーっとベッドに寝転んでいた。
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