次期社長の溺愛が凄すぎます!
シャワーは明日の朝でいいかな。

顔を洗い、メイクを落として鏡を見ると、少しだけ眠そうな自分がいて笑ってしまった。

うん。飲みすぎたかもね。

考えながら洗面所を出て、そのまま冷蔵庫へ向かい、水のペットボトルを取り出す。

同時にスマホの着信音が鳴った。

見ると藤宮さんからで、なんだろうと思いつつ画面をタップする。

「はいはい。もしもし~?」

『君は酔っているのか?』

……我ながら、ご機嫌な感じで受け答えしたのはわかってる。

でも、いきなり不機嫌に言われる程じゃないと思うけど。

「少しだけ、ですかね。部下と飲んでました」

食器棚替わりの棚からグラスを取り出して、ペットボトルのお水を注ぐ。

『何度も電話したのに出ないから……』

「え? あ。そうなんですか? ごめんなさい、気づかなかった」

そういえば、バッグにしまいっぱなしで、確認もしなかったもんなぁ。

私に連絡してくる人なんて、会社以外じゃ家族くらい。後は、たまに友達数名からってとこかなぁ。

「何か用だったんですか?」

ペットボトルを冷蔵庫に戻してから、グラスを持って部屋に戻る。

『……少し心配するだろう。最近の君は数回かけ直せば諦めて出てくれるのに、何かあったのかと思った』

そうねー。あなたは私が“諦める”まで連絡をくれ続けるよねー。
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