次期社長の溺愛が凄すぎます!
***


半分目が座り始めた三島さんを、タクシーにぶちこんで、後は運転手さんにお願いする。

私は私で電車に乗り、いつもよりも暗くなった帰路を不思議がりながら、やっと自分の部屋にたどり着いた。

何でもないようなことを不思議に思うなんて、私も少し酔っぱらってるのかな。

誰もいない部屋の灯りをつけて、鍵をかけると足で蹴るようにパンプスを脱ぐ。

解放感が半端ない。パンプスって絶対に足に窮屈な構造してるよね~。

足指を軽く揉んでから、キッチンスペースを通り抜けて先に部屋に入った。

クローゼットは備え付けで、床は木目を意識してるクッションフロアのワンルーム。

カラーボックスの上にテレビ。そしてベッド。ローテーブルにはティッシュボックスとリモコンがあるだけの簡素な部屋。

かろうじて、カラーボックスの中にマニキュアや、工場のおっさんたちからもらった、クレーンゲームの景品と思わしきぬいぐるみがあるくらい。

朝から開けっぱなしのカーテンを閉めてから、部屋着に着替えると洗面所に向かう。

うちの部屋の間取りは、玄関を開けてすぐ右手がキッチンで、左手には洗面所へつながるドアがある。

洗面所に入ると正面に洗面台。右側に洗濯機と小さな収納棚。左側に二つドアが並んでいる。

洗濯機の隣にあるかごに、脱いだブラウスとストッキングを投げ入れた。

並んだ二つのドアの手前がトイレで、奥のガラス戸がお風呂場だ。
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