次期社長の溺愛が凄すぎます!
「それはそれとして、記憶が正しければ、三島さんは藤宮さん押しじゃなかった? 今朝は一番にからかってきてくれたし、私は、昨日の夜につきあって、貢がせればいいとか言われていた気がするんだけども」

「マジモードとは違うんですよ。からかうと主任はたのしいですけど、こんなお洒落して来るってことは、主任も真剣なのかなって考え直したんです」

私が真剣? いや。それは違うはず。

「この格好はお迎えのあと、夕飯を食べに行くかもしれないからで、藤宮さんとご飯食べに行くと高級感漂うお店に連れていかれるからで、そんなとこ普段のスーツだと私が恥ずかしいし、気にしてるのバレると、彼は有無を言わせずに服から小物までプレゼントしてくれちゃうから、予防……予防なの!」

必死にいい募ってみたところ、三島さんは呆れた顔をして無言になった。

あれ? 私は変なことを言った?

「お待たせいたしました~」

考えていたら、ちょっと間延びした軽い声が聞こえ、コトリとテーブルに頼んでいたオムライスが乗せられる。

三島さんの前にも、今日の日替わりランチらしいロコモコ風料理が並べられていた。

「ごゆっくりどうぞ~」

店員さんののんびりした声と、営業スマイルの顔が見えなくなると、ガシッとスプーンを持った。

「とにかく、お昼にしよう。昼休憩は1時間しかないんだから」
< 126 / 197 >

この作品をシェア

pagetop