次期社長の溺愛が凄すぎます!
宣言するようにしてオムライスにスプーンを入れると、彼女のクスクス笑いが聞こえてくる。

「しっかり貢がれてますね~」

意義あり。気を取り直したようにランチを食べ始める三島さんを睨む。

「好きで貢がれてるわけじゃないから。文句を言ったら“覚えておく”とか言われるだけで、絶対に直すつもりないよ、あの人」

それは確信してる。覚えているだけで、次回はしないようにするとは言わないんだ。

「いいじゃないですか、貢がせておけば。藤宮部長が勝手に貢いでるだけで、実害無さそうですし」

実害はあるんじゃないかな、主に藤宮さんのお財布事情に。

「些細なものなら私も“ありがとう”って言えるかもしれないけどね! 藤宮さんって何を考えてるかわからない」

もしかしたら、藤宮さんのお財布事情的には些細なのかもしれないけど、その可能性を考えてはいけない気もする。

「案外、主任のことしっかりわかっているんだと思いますね。主任って、律儀なところがありますし、プレゼントされたらお返ししなくちゃ!とか、なりますもんね~?」

ニヤニヤされて手を止める。

「それならあざといよね。どう思う?」

「通常のやり取りじゃないですか?」

あっさり言われて、ガッカリしながらまたオムライスを口にした。
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