次期社長の溺愛が凄すぎます!
「いいですよ。でも、コンビニでおにぎり買ってもいいですか?」

会社から直で来たから、なにも食べてないんだよね。

エレベーターを一階で降りて、自動ドアを抜け、勝手に駐車場の方へ向かい始めると、藤宮さんが首を傾げた。

「腹が空いたなら、何か食いに行くか? 今日は末松がいないから酒は飲めないが、どこかで……」

「藤宮さんもお腹空いてますか? んー。でも、今からだと居酒屋とか、そんなところしか空いていないんじゃないですかね」

というよりも、コンビニのおにぎりでいい。

少し疲労の溜まった身体には、下手にレストランとかで緊張するのは遠慮したい。

「コンビニの梅おにぎりが食べたいです。藤宮さんもそうしましょう。あ、もしかしてコンビニおにぎりとか食べたことないですか?」

御曹司ならそれも有り得そう。

そう思ったけど、めちゃくちゃ呆れたような顔をされた。

「あのな……俺だって学生時代があるんだ、今時コンビニも利用しない人間がいるか?」

「だって藤宮さん、いつもグレード高い所ばっかり行くし、学生時代もセレブリティーな生活しているような気がしたんで」

「確かにバカみたいな金の使い方をしている人間もいるが。そんな金銭感で、そのまま社会人になったら危ないだろう。ただ……ファストフードは食べたことがないかもしれないな」

それはもっと珍しい。
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