次期社長の溺愛が凄すぎます!
「鶴川さん。結婚、したいんですか?」

私は全然思わないなー。

「いずれはね。子供ほしいですし」

「あー……子供はほしいですね。でも、男の人はいらないかなぁ」

だって、男の人ってガサツだし、我儘だし、だらしないし。

うちの父さんや工場のおじさん達、弟も可愛くないし、初めて付き合った彼氏はアレだった。

もう、面倒臭いよね。

しみじみと呟くと、めちゃめちゃびっくりした顔をされる。

「ひとりで子供を産んで育てるつもり? 女ひとりは大変ですよ?」

「甥っ子がいて、可愛がる子供はいますから。そもそも生む予定も相手もいませんから」

顔の前でパタパタ手を振っていると、見ていたらしい原さんの困った顔が見えた。

「君ら、仲がよいのは結構だけど、朝っぱらからなんて会話してるんだ」

「ごめんなさい課長。就業前ですし、これくらいは許してくださいよ」

「あー……でも、斎藤さんは今日で研修最後かぁ。寂しくなるねぇ」

「アハハ」

私は慣れてる古巣に早く戻りたい。

鶴川さんがにこやかに応対している間に、パソコンを立ち上げ、腕捲りをする。

今日で本社研修が終了。とにかく本社のやり方を覚えなくちゃ。

気合いを入れるように、両頬を叩いた。










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