次期社長の溺愛が凄すぎます!
「考えたことはなかったのか」

「いえ……あの、からかっているのかなぁって思ってました」

「麻衣子が、無表情で唐突に言われても不気味だと言うから、俺なりに愛想よくしていただけだったんだが」

そんなこと言った?

不思議そうにする私に気がついたのか、藤宮さんは眉を上げる。

「叔父と、俺と、君とで食事をした時に」

そのメンツで食事なんて一回しかない。歓迎会から親睦会に変わった本社研修の初日?

たぶん、その時だとしても、勢いに任せて言ったことなのに……よく覚えてるなぁ。

感心というか、呆れてしまったら、ひょいっと藤宮さんは私の手を持ちあげ……。

「あの……っ!?」

視線を合わせたまま、まるで見せつけるみたいに甲にキスをするから、途中から声がひっくり返った。


手の甲から、身体中に熱が侵食していく。

彼の視線は最初からかうように、それから徐々に真剣さを帯びて闇色に陰になる。


とても綺麗な目をしている。

そう思った瞬間、なにをやってんだ!と我に返った。

バリッと藤宮さんから手を取り戻し、慌てて距離を置く私に、彼はニコリと微笑んでくれたけど……目がマジだ!

「これから、もっと本気で行くから」

低い低い声で言われて、硬直した。

私は、ちゃんと、男の人とお付き合いするつもりもないって言ったよね?

時間の無駄とも忠告したよ!

だ、だれか、誰か助けてーー!










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