佐野くんっ…!!
「ありがとう…。嬉しい」



私は心の底から嬉しかった。

そんな事を言われるのは初めてだったから。



「ちょっ、え、泣かないで!」



無意識のうちに涙が出ていたみたいだ。

佐野くんは自分の指で私の涙を拭ってくれた。





ーーードキドキした





「まだ勉強の事とか不安だからなぁ〜。…LINE、交換しませんか」



佐野くんは恥ずかしそうにモゴモゴと喋る。



「いいの?」



素直に喜ぶ自分がいる。


何なんだ、この気持ちは。


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