私の運命、変えてみせます!


もしかしたら私の知っている彼も、もうどこにもいないのかもしれない。

そう思えば話は早い。


「ノワール、ここから先は私自身の足で行く。だから戦いが終わるまで待機していて」


決着をつけるのは一人でいい、誰の手も借りずに自分一人で終わらせてやる。

了解ですとノワールが答え、人に見つからないように高度を下げていく。

人が来ない小さな林に降り立ちそのままノワールが私を地面に下ろすと、サア……と風が背中を押した。

ゆっくりとノワールから離れるように、一歩前へと進む。

大きく深呼吸をして気合いを入れ直す。


「じゃあ、行ってくる」


笑顔でそう言うと急にノワールに腕を引かれ、そのまますっぽりノワールの胸の中に飛び込んだ。

突然のことに頭が追いついてこなくて、声すら出てこない。

抱きしめてくれる腕に微かに力が入る。


『いってらっしゃい、お嬢さん。心配しなくていい。どんなときもその笑顔を忘れずに、綺麗なその姿を見せつけて来てください。貴女は――綺麗だ』


耳元でそう囁かれると胸が大きく跳ねた。






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