雨上がり、空を見上げた。
そして当日。
いよいよだ。
鏡の前で浴衣姿を厳重にチェックしていた。
髪の毛は上で綺麗にまとめてサイドを太めの編み込みにし白い花の髪飾りを右側につけ、着付けは授業で習ったので問題なく着れた。
美容学生である事がこの時ばかりはとてつもなく役立った。
厳重なチェックを終え家を出ると夏特有の蒸し暑さに負けそうになった。
けれど先輩に会える事の嬉しさが全てを揉み消してくれた。
待ち合わせ場所につくとグレーに白帯の浴衣を着た人一倍目立った先輩の姿があった。
女の子の熱い視線に気付いていないのか先輩は私を見つけ爽やかスマイルで手を振っている。
やはり女子からの視線が痛い…
近くに寄って間近で先輩を見上げるとそれはもう雑誌の中にいてもおかしくないくらいかっこよくて、夕焼けに照らされた先輩をずっと見ていたいと思った。