雨上がり、空を見上げた。




その日から先輩は学校に来なくなった。
人気な先輩の事だ。噂が回ってきたのはすぐだった。

女子が口々に先輩が来ない理由を聞いてきた。

正直苦しかった。
桜はそんな私を心配してか、休み時間はいつも外に連れ出してくれた。

それが唯一の救いだった。


それから2ヶ月。
梅雨が続いていた。

先輩の件も落ち着いて、
私自身も少しだけ落ち着いていた。

だけど今でもちょっとした事で思い出す。
外の雨を眺めていた。

梅雨の季節に私達は出会ったね
赤い傘、まだ先輩は捨てずに持ってるかな
あの初めて会った日、早く帰ったのは正解だったのかな
今こんなに苦しいなら間違いだったんじゃないかなんて思うよ。

風邪はひいてないかな、
先輩は身体が弱かったから少し心配だよ
もう先輩にとなりで傘さしてあげれないから

ごめんね。


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