エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
そうなんだ……。先生が大変なのは分かるけど、やっぱり苦手だな。

隆斗先輩と再会したからか、余計にそう思ってしまったーー。



「小松さん、そろそろリハビリしましょうね」

看護師さんが笑顔でやってきて、私は渋々頷いた。やる気はまったくないけれど、いつまでも病室にいるわけにはいかないから。

「よかった。小松さんが、なかなかリハビリを受けてくれないから、心配してたのよ」

「すみません……。なかなか、やる気が出なくて……」

バツが悪い思いで謝ると、看護師さんは優しく微笑んだ。

「そういう患者さんは、多いんですよ」

「はい……」

先生からも、そう言われたかったのに……。看護師さんのほうが、よっぽど私のことを分かってくれているみたい。

車椅子で、リハビリルームのあるフロアへ向かうと、途中で堂浦先生を見かけた。反射的に、車椅子を動かす手が止まる。

先生と顔を合わせるのが、なんだか気まずいな……。どうやら、小学校低学年くらいの男の子と、話をしているみたいで、腰を下ろして男の子と目線を合わせている。

リハビリルームへは、このフロアを通るしかないから、知らぬ顔で通り過ぎてしまおう。

そう思い、できるだけ先生から離れて通り過ぎようとしたとき、二人の会話が聞こえてきた。
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