エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「じゃあ、明日はお互い別行動だな。夜は帰ってこれるんだろう? そのとき、久美に話したいことがあるんだ」

「私にですか……? 実は私も、先生にお話したいことがありまして……」

先生が私に話って、いったいなんだろう……。気になるけれど、彼の穏やかな笑みを見ていると、よくない話ではないみたい。

それなのに、私のほうは……。胸の苦しさを感じながら、先生との食事を大切に思いながら過ごした。


目に、焼き付けておこう。リビングから、バスルームから、そして二人で過ごすベッドから、輝く夜景を見るのは今夜が最後かもしれない。

「久美は、俺が思っていたよりずっと、強い女性だったんだな」

二人でベッドに入ると、先生が私を抱きしめながら呟いた。

「そんな……。私は、先生と出会えたから、強くなれたんです」

ゆっくりと私の服を脱がせる彼の手が、素肌に触れるだけで反応してしまう。

こうやって、先生に抱かれるのも最後……。私一人で、勝手に決めていく私を、先生はどう思うだろう。

もっともっと仕事を頑張って、自分が成長できたら、今度は自分から告白しよう。

でもその前に、先生から愛想を尽かされちゃうかな……。
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